高品質の無色透明なガラス「クリスタルガラス」。
現代より技術が発展していなかった時代に、不純さがなく洗練されたクリスタルガラスは、多くの人の目と心を奪ったことでしょう。
今回は、そんなクリスタルガラスを用い、様々な製品を世に送り出しているブランド「ウォーターフォード」をピックアップ。
英国王が特別注文をしてまで手に入れたという「ウォーターフォード」製品の魅力や特徴、プレミアムなお酒を飲むのに相応しい「ウォーターフォード」のグラスの特徴を紹介していきます!
「ウォーターフォード」とは?
出典:ウォーターフォードスノーフレークWishes Healthフルート
アイルランドの首都ダブリンの南に位置する、国内第5の都市ウォーターフォード。静かな丘陵の港町であるこの地では、中世の頃から優れたクリスタルが創り出されていました。
素晴らしい工芸家も輩出してきたウォーターフォード市。そんな同市で1783年、ペンローズという兄弟が工場を開きます。
それこそが、町名をそのまま与えられたクリスタルブランド「ウォーターフォード」です。
「ウォーターフォード」ブランドの歴史
創業後、「ウォーターフォード」は当時のヨーロッパ社交界で存在感を放ちます。
その噂は、当時の英国王ジョージ3世(在位:1760年10月25日~1820年1月29日)の耳にまで届き、ついには国王より特別注文を受けるようにまでなったのです。
それ以降、ヨーロッパ中の人々から求められるようになり、各国の貴族の家には「ウォーターフォード」の製品が並ぶようになったのだとか。それゆえに、ウォーターフォードのグラスは彼らの地位の高さを象徴する製品、つまりはステータスシンボルとして愛用されるようになったのです。
ブランドの価値を確固たるものとした「ウォーターフォード」は現在でも、世界有数のクリスタルブランド、そしてステータスシンボルとして君臨しています。
「ウォーターフォード」の製品の特徴
「ウォーターフォード」を語る上で、まず欠かせないのは、創業当時から受け継がれている確かなクラフトマンシップでしょう。
職人により、繊細かつ大胆にカッティングされた「ウォーターフォード」の製品は美しく煌めき、その煌めきこそが当時のヨーロッパ社交界、そして英国王ジョージ3世の目をも釘付けにしたのです。
また、その歴史の中で、華やかで気品のある、様々なパターンを生み出してきたのも「ウォーターフォード」の特徴。幅広い製品ラインナップを誇り、各業界の建造物や式典、大会などの象徴の一つとして、「ウォーターフォード」の製品は利用されてきました。
確かなクラフトマンシップにより作られる幅広い製品。創業から2世紀を越えた現在も、様々なシーンを彩っている「ウォーターフォード」は、世界でもトップクラスに信頼できるブランドと言えるでしょう。
「ウォーターフォード」の代表的な作品達
「ウォーターフォード」の代表作品として真っ先に挙げられるのが、ロンドンにある「ウェストミンスター寺院」のシャンデリア。
この寺院は11世紀に建設され、1987年にはユネスコの世界遺産に登録された"ゴシック建築の傑作"。最近では、2011年に英国王室の結婚式が行われたことで話題になりました。
ロンドンの歴史が詰まっている、この寺院で「ウォーターフォード」のシャンデリアは今も燦然と煌めいています。
また、海を越えたアメリカはワシントン「ケネディセンター」でも「ウォーターフォード」のシャンデリアは煌めいています。
アメリカでの「ウォーターフォード」の代表作といえば、「ケネディセンター」だけでなくNYのタイムズスクエアで開催されるカウントダウンイベントも有名。
特に印象的なのは、2012年の新年のワンシーン。このイベントに協賛している「ウォーターフォード」のオーナメントに、歌姫"レディ・ガガ"がキスをしたシーンは、写真にも収められている有名なシーンです。
歴史的建造物や式典だけでなく、権威ある世界のビッグトーナメントの優勝トロフィーにも、「ウォーターフォード」の製品が使われています。
例えば、米ゴルフPGAツアー「ホンダ・クラシック」の優勝トロフィーや、日本の「ダンロップフェニックス ゴルフトーナメント」の優勝トロフィーなど。このように、「ウォーターフォード」の製品は様々なシーンを印象的に彩っているのです。
「ハウス オブ ウォーターフォード」
前述したように、様々な製品を世に送り出している「ウォーターフォード」ですが、同ブランドを代表するコレクションの一つに「House of Waterford」というものがあります。
これは、「ウォーターフォード」が誇るクラフトマンシップの代名詞とも言えるコレクション。18世紀から受け継がれてきた技法を用い、アイルランドの本社工場で仕上げるハンドメイドのクリスタルです。
制作が許されているのは、厳しい訓練により技術を培ったマスタークラフトマン達のみ。
クリスタルの成形を担当する「ブローワー」、カットにより美しい光の反射を演出する「カッター」、絵柄を彫り描いていく「エングレイバー」など、熟練の職人達により「House of Waterford」の製品は完成するのだそう。
「ウォーターフォード」のグラスを紹介
ウォーターフォードMaraタンブラーグラス
シンプルだからこそ、他製品との違いを感じられる、そんな一品。
洗練されたクリスタルガラス、そしてグラス中央から底にかけて施されたカットからは、反射する照明と「ウォーターフォード」のクラフトマンシップが光り輝きます。
タンブラーグラスはハイボールグラスと呼ばれることもある通り、カクテルを楽しむ際に最適。何十年も熟成したウイスキー、何十種ものボタニカルを使用したクラフトジンなど、プレミアムなお酒を飲む時に使いたいですね!
Waterford 2020 タイムズ スクエア フルート ペア ウルトラバイオレット
出典:Waterford 2020 タイムズ スクエア フルート ペア ウルトラバイオレット
鮮やかな紫が印象的なグラス。記述はありませんが、無色透明なクリスタルガラスの表面に、更に薄く色クリスタルガラスを被せた、色被せクリスタルガラスであることは間違い無いでしょう。
この色被せクリスタルガラスで注目すべきは、2色のコントラストからなる美しさです。鮮やかな紫に目を奪われますが、その紫をより映えさせている、クリアなクリスタルガラスの存在を忘れてはいけません。
形はワイングラスの一種のフルートグラスです。このタイプは、注がれたドリンクの空気に触れる面が少ないので、炭酸を逃さないのが特徴。スパークリングワインやシャンパンなどを飲む際に重宝します。
このグラスなら底は透明なので、立ち昇る泡を眺めながら優雅にお酒を楽しむことができるでしょう。フルートグラスならではのスマートのデザインが、「ウォーターフォード」の格式の高さとマッチしています。
まとめ
アイルランド第5の都市ウォーターフォードの名を、そのまま与えられたクリスタルブランド「ウォーターフォード」。
同ブランドは、ヨーロッパ社交界や英国王ジョージ3世に愛され、ステータスシンボルとしての地位を確立しました。
そんなブランドを支え続けているのは、創業当時から受け継がれるクラフトマンシップ。「House of Waterford」をはじめ様々な製品から、積み重ねた歴史と技を感じ取ることができます。
「ウォーターフォード」のグラスにお酒を注げば、同ブランドの製品だからこそ演出できる、豊かな時間を楽しめること間違い無いでしょう。