皆さんは「カガミクリスタル」をご存知ですか?
「もちろん知ってる!」という方も「知らない...」という方も、きっと一度くらいは、結婚式といった、おめでたいパーティーなどで手にしていると思います。
というのも「カガミクリスタル」は、創業から90年近い歴史の中で、圧倒的な採用実績を誇るブランドだからです!
今回はそんな「カガミクリスタル」の特徴や、オススメのクリスタルグラスなどを紹介していきます。
カガミクリスタルとは?
カガミクリスタル(以下KAGAMI)は、日本初のクリスタルガラス専門工場として、昭和9年(1934年)に"各務鑛三"氏によって創立されました。昭和12年には、パリ万国博覧会名誉賞受賞。更に2年後、昭和14年にはニューヨーク万国博覧会名誉賞受賞。
創立後直ぐに、その実力を世に知らしめたKAGAMIの歩みは、時代が変わっても止まる所を知りません。
前述したような万国での受賞だけでなく、天皇皇后両陛下への納入をはじめとする大仕事も請け負うなど、ウィスキー瓶や香水瓶、壁面ガラスやシャンデリアなど、幅広い制作で各業界に貢献しています。
このように、クリスタルガラスに関する仕事をこなし続け、その長い歴史で積み重ねた圧倒的な採用実績は、まさしくKAGAMIの特徴といえるでしょう。
創業以来培ってきた技術力と、細部に目が届く表現力が織り成す、「日本の伝統と革新」を体現したKAGAMIの製品。そんなKAGAMIの製品を手にした全ての人に、日本を感じてもらえるようにと祈念したブランドコンセプトが「Feel Japan」なんだそう。
そして忘れてはならないのは、上記の想いを製品で体現させる職人達。
溶けたガラスに息を吹き込み形作る「成形職人」、クリスタルガラスを通し、無色透明な世界に生命感の表現を追求しているグラヴィール職人、クリスタルガラスの塊に渓流の魚たちや、四季の花々を彫り込むグラヴィール作家など、工程ごとに様々な専門の職人が関わることで、美しい造形が生み出されているのでしょう。
クリスタルガラスとは?
クリスタルガラスとは、高品質の無色透明なガラスのこと。カガミクリスタルでは"水晶のように透明なガラス"という意味合いで使用しているようですね。
最高級クリスタルガラスを名乗るには、精選された高純度の原料に加え、洗練されたデザインと製造に携わる職人の熟達した技術が必要。
最高級クリスタルガラスと、通常のガラスを比べると一目瞭然。高い透明度や美しい輝き、澄んだ音色で私達を魅了してくれます。
クリスタルガラスにも、レッドクリスタルやカリクリスタル等、製法によって様々な種類があるのだそう。
以下では、クリスタルガラスの技法を紹介していきます。
色被せ(いろきせ)クリスタルガラス
無色透明なクリスタルガラスの表面に、更に薄く色クリスタルガラスを被せる技法を、色被せクリスタルガラスと言います。
ただ被せるだけでなく、切り絵をイメージすると分かりやすいのですが、被せた色クリスタルガラスの不要な部分をカット。その他、グラヴィール彫刻という技法を、色クリスタルガラスに施すことにより、現れる下層の無色透明なクリスタルガラスと、色クリスタルガラスの鮮やかなコントラストを生み出せるのが特徴なんだそう。
特に、KAGAMIは赤の色被せクリスタルガラスにこだわっており、発色にはなんと純金を使用しています。これにより、色クリスタルガラスは金赤色と呼ばれる冴えた色調に仕上がり、現われる無色透明なクリスタルガラスと一際美しいコントラストを生み出しているのだそう。
色被せクリスタルガラスの中でも、特にこの、KAGAMIの赤の色被せクリスタルガラスは必見の逸品といえるでしょう。
型吹成形・宙吹成形
型通りに成形するため、吹き竿と呼ばれる道具で巻き取ったガラス内に空気を入れ、そのガラスを型に入れてから、更に空気を入れて成形する技法を型吹成形と言います。
一方、宙吹成形では、型を一切使わず、宙空でガラスを吹きながら様々な形に仕上げていくようです。これは、テレビの伝統工芸特集などで、一度は見たことがある技法なのではないでしょうか?
宙吹成形は、ガラス製法の根本といる技法で、型吹成形でガラスを型に入れる前の工程や、お酒好きには馴染み深い、ビアマグの取手の、あの滑らかな曲線には、宙吹の基本が活かされていると言われています。
カット(切子)加工
カットは、クリスタルガラスの美しさを際立たせるのに最も主要だといわれています。
砥石を回転させて削る道具といえば分かりやすいでしょうか。各種用意しているという、グラインダーという道具を使い、ガラスの表面を削ることで、幾何学的なパターンを彫り込むことが可能なのだそう。
カットには基本的には4種類あり、それぞれ菱カット、カマボコカット、角山カット、平カットと呼ばれています。
KAGAMIのカットガラスは高い屈折率を活かしており、彫り深く、精密で、格調高いデザインが自慢にしています。
グラヴィール彫刻
グラヴィール彫刻の中にはいくつかの技法がありますが、KAGAMIはその中で最高のものと位置付けられている、カッパーホイールエングレービングと呼ばれる技法を採用しています。
この技法は使用道具にもこだわっているようで、回転軸に取り付けた銅の円盤に、油で溶いた細かい金剛砂を付けているのだそう。
あとは、道具ではなく技術の勝負!!グラスなどの表面に描いたデッサンを、ひたすら彫り込んでいき...
最後に艶だし、ボカシを施せば、繊細で陰影に富んだ表情を持った、カット技法では生み出せない逸品を生み出せるのだそう。
ボヘミアンガラスの出現とともにボヘミア地方を中心として発達し、習得が非常に難しいこと、加えて"各務鑛三"氏が日本に伝え、現在まで受け継がれているということから、この技法はKAGAMIの特徴の一つと考えても良いでしょう。
商品紹介
それでは最後に、KAGAMIのクリスタルグラスをカテゴリ別に紹介していきます。
FeelJapan
出典:カガミクリスタル(Kagami) 江戸切子半酒器揃 魚子紋
ブランドコンセプトである「FeelJapan」にカテゴライズされる商品は、「宙-SORA-」「日本酒グラス」「和乃美」の3シリーズになります。
「宙-SORA-」は、「ストレートグラス」「タンブラー」「トールグラス」「ロックグラス」がラインナップしているので、ウイスキーやカクテル好きにピッタリ。
「日本酒グラス」は、「平盃」「片口」、「和乃美」は、「冷酒杯」「徳利」がラインナップしているので、日本酒好きに良いでしょう。
どのシリーズの商品も、クリアでシンプルな、洗練されたデザインなのが印象的。老若男女問わず喜ばれるような、気品を感じられます。
江戸切子
「江戸切子」にカテゴライズされる商品は非常に豊富です。「ロックグラス」「ワイングラス」「タンブラー・ビアグラス」「ひとくちビールグラス」「冷酒杯・酒器揃・徳利・片口」と揃っているので、お酒好きには堪りません笑
そもそも「江戸切子」とは、江戸時代後期に生まれたといわれている技術です。180有余年もの間、途絶えることなく切子職人によって受け継がれています。
町民文化の中で育まれた「江戸切子」は、色濃く残している江戸時代の面影や、優れた意匠、技法の数々が特徴とのことです。
KAGAMIでは、この伝統の中で生まれた、様々な文様を基本にしつつ、新しい江戸切子の組み合わせや構成、新たな工夫を巡らせた現代の江戸切子を制作。また、江戸切子はKAGAMIの切子士だけでなく、伝統工芸士の方々の協力を得て制作されているのだそう。
商品ラインナップは、色取り取りであり、「江戸切子」ならではの様々な文様が揃っているので、自分の好きな色、好きな文様のグラスをチョイスすることができるでしょう。
クリスタルグラスウェア
「クリスタルグラスウェア」の特徴は、ドリンクを注ぎ傾ければ揺らめき出す、グラスの繊細なカットです。
「ロックグラス」「ワイングラス・シャンパン・デキャンター」「タンブラー・ビアグラス」「ストレートグラス・ブランデーグラス」「冷酒杯」と、豊富なバリエーションがラインナップ。それぞれのグラスに、それぞれのお酒を注げば、その光の揺らめきを楽しめるでしょう。
クリアでシンプルなデザインながら、自らの存在感を主張しつつ、注がれる主役であるドリンクにスポットライトを当ててくれる、そんな印象のグラスです。
グラヴィール彫刻
出典:カガミクリスタル(Kagami) ロックグラス 鶴と富士山
「グラヴィール彫刻」は、「ロックグラス」「ワイングラス」の2つです。「ロックグラス」には富士山と鶴、「ワイングラス」には桜の花びらが、匠の技により刻まれています。
美しく日本の心に響く、そんな言葉が相応しいこのグラスは、成人式や結婚記念日など、特別な日のギフトとして利用するのにも最適でしょう。
ロイヤルコレクション
「ロイヤルコレクション」にカテゴライズされる商品は、「ロイヤルライン」「プレステージライン」「ロイヤルブルー」の3シリーズになります。
「ロイヤルライン」は、宮内庁外交団正餐用食器を原形モデルとして開発されたそう。洗練された気品あるシェイプと、品格の高いカット面でまとまっているのが特徴。シンプルで格調高いシリーズといえるでしょう。
「プレステージライン」は、海外日本大使館等、公館用食器を原形として作られたシリーズなのだそう。スタンダードな使いやすさと高級感のある仕上がりになっているので、流行り廃りの関係なく、末永く愛用できるといいます。
「ロイヤルブルー」は、宮内庁外交団正餐用食器を原形モデルに開発されたそう。前述したロイヤルラインに、ブルーのガラスを被せているようです。
シンプルで格調高いクリスタルガラスと、印象的な深い青のクリスタルガラス。双方の融合により生み出された鮮やかなコントラストには、思わずウットリしてしまいますね!
仮に、ドレスコードが必要な場面でも堂々と使えるような、そんな高級感溢れるグラスといえるでしょう。
まとめ
90年近い歴史と圧倒的な採用実績を誇り、国内外から高い評価を受けているKAGAMI。
値段的に年十個も購入するのには度胸が必要ですが、成人式や結婚式など、晴れの日を彩るために何個かは持っていたいような、そんな特別感のあるブランドでしたね!
記念日などにギフトとして大切な人に贈れば、喜んでくれるのではないでしょうか?