塩辛の歴史は古い。江戸時代には、すでに酒の肴として庶民に広く親しまれていたそうだ。
塩辛好きの呑兵衛ならば訪れるべき店が東京・神田にある。約100年前の建設当時の面影を残し、2013年、商業施設として生まれ変わったマーチエキュート神田万世橋。ここに店を構える「駿河屋賀兵衛」は、定番のイカ塩辛をはじめ、生しらすや桜えび、本ずわい蟹など変わり種の塩辛まで常時30種を楽しめる塩辛専門店だ。
レギュラーから新作まで常時30種の塩辛が揃う
本社があるのは静岡県。海流が強い駿河湾で獲れた魚は、熟成に負けない身の締まり具合が塩辛に最適なのだそう。静岡に限らずタコは北海道、イカは沖縄と国産素材にこだわった30種の塩辛は、季節ごとに顔ぶれを変える(※物販のみの秋葉原店では60種を扱う)。また、新作の開発にも積極的だ。
先日メニューに加わったばかりなのはサメ軟骨とイカ軟骨、カツオの酒盗を紀州南高梅で和えた「骨香雪(こっこうせつ)」。サメ軟骨と梅肉といえば「梅水晶」が思い浮かぶが、こちらは酒盗のコクを活かした濃厚な口あたりで日本酒がすすむ。
発表! 人気ランキングベスト3
【1】賀兵衛 虎白(500円)
イカの柔らかい胴肉のみを使用した白作りで、トロッとクリーミーなまろやかさが最大の特徴。熟成段階で使用する米の発酵調味料がマイルドさを実現しているのだとか。塩辛としては塩分控えめなため、ワタ本来の甘みを存分に味わえる。塩辛初心者におすすめしたい!
【2】賀兵衛 暁(500円)
熟成期間1カ月の「虎白」に対し、「暁」は厳しい温度管理のもと3ヶ月から半年熟成させる。イカを一度天日干しすることで旨みを凝縮。噛むごとに後から後から濃厚な味わいがやってくる。これこそザ・ご飯のお供!
【3】生しらすの塩辛(600円)
日本一の水揚げ量を誇る駿河湾の生しらすを使用。おとなしそうなルックスに反しかなり塩気の効いた一品だが、塩気の中にしらすの旨みや風味がしっかり感じられる。さらに刻み茎ワサビが良いアクセントでどうにも箸が止まらない。
お店おすすめ! 絶品「牡蠣のオイル漬け」
おすすめは広島産の肉厚な牡蠣を燻製しオイルに漬けこんだ「牡蠣のオイル漬け」(900円)だ。食欲を刺激する芳醇な香ばしさを隠し味のバルサミコ酢が引き締める。軽快な白ワインと合わせると燻製らしさが最大限に引き出される。
塩辛だけじゃない! 食事メニューは50種を超える
ランチタイムは「マグロ三色丼(870円)」や「塩辛納豆&焼魚定食(980円)」が近隣のサラリーマンに人気だという。夜は「マグロのカマ酒盗焼き(1380円)」や「ムール貝のやみつき塩辛ガーリックソテー(1280円)」など季節ごとのメニューが50種以上楽しめる。塩辛だけのつもりでもついつい頼みたくなってしまうこと間違いなし。握り寿司の「海老の海老味噌漬け(380円)」にはファンも多いそう。
また、これらを引き立てるのは日本全国から集められた50銘柄の日本酒。客の好みや食事との相性を考慮し、豊富なバリエーションからぴったりの銘柄をすすめてくれる。中にはなかなかお目にかかれないレア銘柄もあるため、塩辛同様こちらも堪能したい。
定番から変わり種まで揃う塩辛専門店「駿河屋賀兵衛」。あなたが塩辛好きの呑兵衛なら訪れないなんてもったいない。
※価格はすべて税込
店名 | 駿河屋賀兵衛 マーチエキュート神田万世橋店 |
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住所 | 東京都千代田区神田須田町1-25-4 マーチエキュート神田万世橋 1F |
電話番号 | 03-5295-0310 |
営業時間 | 11:00~23:00 日・祝~21:00 |
定休日 | 不定休 |
食べログ | http://tabelog.com/tokyo/A1310/A131002/13160196/ |