みなさんは「日本酒専門店」や「酒屋さん」を訪れたことがありますか?
冷蔵庫には、ユニークなラベルやネーミングの日本酒がずらりと並んでいます。
また、同じ蔵元さんのお酒でも違う色の瓶を使っていたりするんですよね。
どうして蔵元さんは瓶の色を使い分けているのでしょうか?
気になったので、蔵元さんに聞いてみました!!
日本酒の瓶の色は何種類あるの?
まずは、実際に日本酒専門店「KURAND SAKE MARKET」の冷蔵庫を見てみましょう。
ざっくりですが、瓶の色を見ていくとこんな感じの内訳になっています。
1位 | 茶色 |
---|---|
2位 | 緑色 |
3位 | 青色・白色・その他 |
全国には、珍しいピンクや黒の瓶の日本酒もありますが、茶色と緑色が多く採用されています。
このような瓶の色には何か意味があるのでしょうか??
瓶の色にも意味がある!!
⚫︎機能性を求めるなら茶色
お店でも調べた通り、1番採用率の高かった茶色の瓶。
茶色が使われている理由として言われているのは、“光を遮り、瓶の中の酒を変質させないようにするため”です。
というのも日本酒は紫外線が当たると「日光臭」と呼ばれる不快な匂いが生じます。
これは、日本酒が太陽光や紫外線に晒されることによって発生する香り。
日本酒は太陽光にとても弱く、短時間の照射でも日光臭が生じてしまうのです。
そのため、光を遮るという効果のある茶色が多く使われています。ちなみに、同じ理由からビール瓶も茶色が使用されているんですよ!
また、茶色瓶の次に多かった緑瓶も同様の効果があるとされています。
⚫︎白や青は大丈夫??
紫外線を遮る、という効果のない白や青の瓶でも日光に当たらないところで冷蔵保存しておけばある程度は大丈夫。
その場合は薄い布や新聞紙、紫外線カットのビニールで包んで紫外線から保護している場合が多いので安心ですよ。
もちろん蔵元さんや各店舗でもしっかり管理しています。
青や白の瓶は、日本酒の透明感や爽やかさが伝わりやすいというメリットがありますね。
瓶の色はどう決めるの??
では、この瓶の色はどのように決めているのでしょうか??
今回は特定の色にこだわっている蔵元さんや、色を使い分けている蔵元さんに直接聞いてきました!!
宝山酒造
新潟の温泉街である岩室温泉と弥彦温泉の中間に位置する宝山酒造。
大量生産は行わず、三人の蔵人が「一冬楽しく人の和」をモットーとして、丁寧に醸した日本酒が大人気の蔵元です。
「KURAND SAKE MARKET」でも可愛らしいラベルとユニークなネーミングの「酒を売る犬と酒を造る猫」が人気となっています。
そんな宝山酒造さんに質問。
Q. いろんな色の瓶を使うことにこだわりや理由はありますか?
A.こだわりがある物とない物とがあります。
その商品の個性をわかりやすくする為に色を変えることがあります。
例えば、夏のお酒なら青い瓶、にごり酒なら透明瓶のように商品に合わせた瓶をチョイスすることもあります。
定番商品に関しては緑や茶色瓶を使うことが多いです!
宝山酒造は、お酒の特徴をよりわかりやすく顧客に伝えるために、色にこだわっていることがあるんですね。
にごり酒などは、透明の瓶に入れると白さが際立ちます。
ちなみに、「酒を売る犬と酒を造る猫」は下のボタンから購入可能です!!
寒梅酒造
関東平野のほぼ中央に位置する埼玉県・久喜にて酒を醸す寒梅酒造。
「美味しく楽しい時間の提案」をモットーとし、質が良く、造り手の顔が見えるような日本酒を目指しています。
中でも、圧倒的な存在感を放つ「鈴木」は寒梅酒造が手がけたものです。
そんな寒梅酒造さんに質問。
Q.いろんな色の瓶を使うことにこだわりや理由はありますか?
A.昔は遮光性がメインだったのだろうと思いますが、今は店頭の管理状況が向上したため、そこはあまり気にしていません。
どちらかというと遮光性よりも飽和状態の日本酒のなかでお客様にいかに自社商品を手にしてもらうかというデザイン性の方が強いと思います。
弊社の商品も…
①純米吟醸 さけ武蔵:黒
上品さ、高級感をプラスするために「黒」を採用。
白地に金文字のラベルを際立たせるためでもあります。
見た目のデザイン性重視で入ったパターンです。
②生原酒:緑・青
生酒はフレッシュなものなので、明るい色である「緑」を採用。
辛口でキレがある&夏のイメージのあるものには「青」を選んだこともあります。
これらは酒質からデザインに入ったパターンです。
③純米、普通酒:茶色
米の感じ&田舎臭さみたいなのを表現したくて「茶」を採用。
また地元で愛される普通酒は、昔から変わらず「茶」を使っています。
④古酒:白(透明)
お酒の色に特徴がある、またはお酒の色を見せたい!!というものは「透明」を採用。
寒梅酒造さんは商品の味やデザインによって色を使い分けているんですね。
ちなみに、「鈴木」は下のボタンから購入可能です!!
三芳菊酒造
「今の時代の新しい、誰も飲んだことのない日本酒を醸す」をモットーとし、幅広い可能性を追求する三芳菊酒造。
日本酒とは思えない香りや味わいは飲む人をあっと驚かせます。
ラベルもアーティストのアルバムのような洗練されたものばかりです…!!
そんな三芳菊酒造は青い瓶が圧倒的に多いんです。
そこで三芳菊酒造さんに質問。
Q. 青い瓶を使うことにこだわりや理由はありますか?
A.10年くらい前今の三芳菊を出したところ、酸味があって甘いという特徴が従来の日本酒っぽくないと、辛口のような日本酒が好きな人からクレームが来ることが多かったのです。
当時はまだそのような日本酒が一般的ではなかったのですね。
そこで日本酒をあまり知らない人や興味を持ってなかった人のほうが目にとまるように、と瓶を青くしてみました。
予想通りクレームはほとんどなくなり、そこからずっと青い瓶を使っています。
「新しい日本酒を醸す」というモットーから、時代を先取りした日本酒を作り続けている三芳菊酒造。
初心者や女性の方などから大人気なんです。
クレームがきた時に味を普通にしてしまうのではなく、ラベルの色を変えることで解決した、というところが素晴らしいですよね。
まとめ
日本酒の瓶の色は、機能面という意味ではもちろん、蔵元さんによって狙いやこだわり、きっかけがあったんですね。
でもそれもすべて、日本酒が好きな私たちがもっと美味しく、わかりやすく飲むための工夫。
そんなふうに考えたら、なんだかちょっと感動してしまいます。
これから お酒を買う際には「瓶の色」にも注目してみてくださいね!
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