中国酒には有名な紹興酒(しょうこうしゅ)がありますが、その他にも「白酒」と呼ばれるお酒があるのをご存知ですか?
今回は中国酒である「白酒」の味や飲み方、どんな時に飲まれるか?高級白酒の銘柄などをご紹介していきます。
中国酒「白酒」とは?アルコール度数は高い?
「白酒」は中国発祥の蒸留酒で、ウイスキーや焼酎、ウォッカなどと同じ製法で作られたお酒です。
原料はトウモロコシ、ジャガイモ、サツマイモやエンドウ、米やもち米などの穀物が主。
無色透明でウイスキーなどと同じ蒸留酒なのでアルコール度数は高く、同じ銘柄でも40度のものもあれば50度もあったりと、平均してみると白酒のアルコール度数は50度前後となっています。
白酒の読み方は特に統一されているわけではなく、中国では「ぱいちゅう」「ばいちゅう」などと呼ばれているようです。
ちなみに日本でひな祭りに飲む白酒は「しろざけ」という読み方をします。
中国の宴会でよく飲まれるお酒「白酒」
そんな白酒ですが、中国の宴会では紹興酒よりも白酒が振る舞われることが多く、乾杯といったらこの白酒が定番だと言われています。
日本で白酒といえば「ひな祭り」。日本で白酒を飲む機会と言えば桃の節句「ひな祭り」ですよね。
「ひな祭りは甘酒ではないの?」と思われる方も多いかもしれません。確かに甘酒も白酒も白色のお酒なので見た目で判別するのは難しく、混同してしまうのも無理はありませんが、ひな祭りに飲むお酒は白酒が正しいようです。
ひな祭りに白酒を飲む理由
なぜ、ひな祭りに白酒を飲むようになったのかというと、桃の節句ではもともと白酒ではなく「桃花酒(とうかしゅ)」と呼ばれるお酒を飲んでいました。
桃花酒とは桃の花を浸したお酒のことで、中国ではこの桃花酒は魔除けの効果や邪気を払う効果の他にも百歳(ももとせ)まで生きるという長寿の意味を持っています。それがそのまま日本に伝わり、次第に、桃花酒から白酒に変わっていったといいます。
白酒の味わいと飲み方
白酒はストレートで飲むのが一般的ですが、オンザロックで飲むのも好まれているようです。ストレートで飲む場合は小さな杯に入れたものを一気に飲むようです。アルコール度数が50度前後もある白酒ですから、一気に流し込むと喉が焼けそうですよね。
味も独特で、鼻に抜ける爽快感と共にセメダインのような独特な味は好き嫌いが分かれるお酒とも言えますね。
白酒の種類は多い!香りは大きく3つに分類される
白酒の種類はとても多くありますが、その香りは「醤香」と「清香」そして「濃香」と、大きく3つに分けられます。
一口に白酒と言ってもその製法も生産方法も独自のものがあるため、味も香りも多種多様です。
白酒の種類(香り)①醤香
醤香は白酒らしい風味で、柔らかくまろやかで口の中に長く残る味わいとほんの少し焦げたような香りが後に残るのが特徴です。
醤香の代表的な白酒は「茅台酒(貴州省)」や「郎酒(四川省)」などがあります。
白酒の種類(香り)②清香
色々な味が調和した清香タイプの白酒は、柔らかく雑味のないさっぱりとした味わいで、上品な香りを漂わせながら後味はまろやかという特徴があります。
清香の代表的な白酒は「西鳳酒(陝西省)」や「汾酒(山西省)」などがあります。
白酒の種類(香り)③濃香
濃香タイプの白酒は、熟成された独特な香りが芳しく、しなやかな味と甘みが後まで続きます。特に濃香タイプの白酒は飲んだあとも香りが続き、白酒の余韻を楽しませてくれるのが特徴的です。
代表的な白酒には「五粮液(四川省)」「剣南春(四川省)」「濾州老窖特曲酒(四川省)」「洋河大曲(江蘇省)」などがあります。
白酒の平均的な価格はどれくらい?高級白酒の銘柄をご紹介
白酒の値段は幅広く、安い白酒であれば日本円価格で1本250円くらいで売っています。かなり安価でお手頃ですが、一方で高級の白酒もあり、その値段は1本で2万5千円ほどと言われています。
では高級と言われる白酒の銘柄をご紹介します。中国酒に慣れている方は一度試してみてもいいかもしれませんね。
高級白酒①五粮液
五粮とはコーリャン(トウモロコシの一種)、もち米、小麦、トウモロコシの5種類の穀物のことを言います。
価格は500mlで15,400円前後。日本に輸入されている白酒の中では高級酒と言えますね。
高級白酒②茅台酒
茅台酒は、中国で国賓を迎える際などに必ず出てくる「国酒」としても用いられる白酒で、価格は500mlで25,000円前後、中国ではかなり高級な白酒として有名です。
強い芳香を放ち、独特な味わいの茅台酒ですが、日本人にはあまり馴染みのない風味かもしれません。
まとめ
今回は中国酒「白酒」についてご紹介しました。
同じ中国酒でも日本人に馴染みの深い「紹興酒」とは違って、蒸留酒に分類される「白酒」はアルコール度数も高く、味や香りも独特です。
しかし、白酒がもつ独特の味わいや芳香に魅了されている人が増えているのも事実。この記事を読んで興味を持ったあなた!!見かけた際は、ぜひチャレンジしてみてくださいね。