ワイン好きの人にとっては、1年でもっともそわそわするのは11月ではないでしょうか?そう、ボジョレ・ヌーボーが解禁されるのが11月!
とりわけワインに詳しい人じゃなくても、「ボジョレ・ヌーボーだけは飲む」「飲んだことがある」などワインの中ではかなり知名度が高いですよね。
今回は、なぜこれほどまでにボジョレ・ヌーボーが人気なのか?お祭り騒ぎになるのか?その秘密に迫っていきたいと思います。
なぜボージョレ・ヌーヴォーの解禁日はお祭りになるのか?
「ボージョレ・ヌーヴォー」とは、フランスのワイン銘醸地であるブルゴーニュ地方の最南部に位置するボージョレ地区で収穫された、ガメイというブドウ品種から造られる新酒のこと。ちなみに、「ヌーヴォー(Nouveau)」という言葉は、フランス語で「新しい」という意味です。
もともとボージョレ・ヌーヴォーは、ボージョレ地区のブドウの収穫を祝うために使われていた新酒でしたが、ブドウの収穫から2ヶ月ほどで飲めるワインということで、世界中でブームになりました。そして、その出荷や流通における混乱を避けるべく、1984年フランス政府により解禁日が現在の「11月第3木曜日の午前0時」に定められたのです。
世界中のワイン愛好家がこの日を待ちわびるほどの大イベント!フランスでは、この日に大々的なパレードなどが催されるなど、お祭りのような賑わいを見せます。
また、ボージョレ・ヌーヴォーには、その年のブドウの出来栄えが反映されているため、その年のフランスワインの出来栄えを予測する指針としても扱われているのです。
独特な製法で造られるボージョレ・ヌーヴォー
ボージョレ・ヌーヴォーは、「マセラシオン・カルボニック」という、独特な製法で造られています。
通常の赤ワインであれば、収穫したブドウをまずは潰してから発酵させるのですが、マセラシオン・カルボニックでは、収穫したブドウを潰さずに密閉タンクに入れます。そうすることで、上のブドウの重みで下の方のブドウが潰れ、自然発酵が起こります。その発酵によって、炭酸ガスがタンク内に充満し、炭酸ガスに浸かった状態で数日間置くと、ブドウの果皮から色素が抽出され、美しいルビー色のワインになるのです。
その後は、ワインに渋みや苦味を与える果皮や種子などを取り除いてしまい、絞った果汁のみで発酵を行うので、フレッシュな果実味が特徴のワインに仕上がります。
ボージョレ・ヌーヴォーの香りや味の特徴とは
先に述べたように、ボージョレ・ヌーヴォーは、ガメイというブドウ品種から造られています。ボージョレ地区の花崗岩質と石灰粘土層から成る土壌は、ガメイに栽培にはとても適しているのです。
ガメイは渋みの少ないブドウ。そこから作られるワインは、フルーティーで、まろやかな口当たりになると言われています。特に、ボージョレ・ヌーヴォーには、新酒ならではの軽やかさやフレッシュさといった特徴が顕著に現れるのです。全体的に、若々しくてチャーミングなワインが多く、赤ワイン特有の渋みや苦味が得意でない方でも飲みやすいのではないかと思います。
また、ガメイを使ったワインはイチゴやチェリーのような果実の香りや、スミレやバラのような華やかな香りが特徴的。それに加えて、ボージョレ・ヌーヴォーの場合、その中にバナナやキャンディーのような甘い香りが顕著に現れます。
相性が良い料理も幅広く、和食では醤油ベースの味付けのものによく合います。また、生ハムやパテといった、お肉をベースとした軽めの料理とも相性が良いです。少し冷やして飲むと、その魅力がよく引き出されますのでオススメですよ!
この製法により、ブドウを収穫してからわずか2ヶ月で、その新酒が楽しめるようになるのです。
秋の風物詩、ボージョレ・ヌーヴォーを楽しもう
今やすっかり秋の風物詩となった、ボージョレ・ヌーヴォーの解禁日。
今年のボージョレ・ヌーヴォーは、どのような味わいになっているでしょうか。解禁日が待ち遠しいですね。
11月の第3木曜日が訪れたら、華やかな香りとフルーティーなボージョレ・ヌーヴォーと共に、ぜひ深まりゆく秋を満喫してくださいね!
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