アイラ島という島をご存知でしょうか?通なら誰しも知る、ウイスキーの名産地です。
アイラ島で造られるウイスキーは、アイラ・モルトと呼ばれ、その独特のスモーキーさとピート香(磯のような香り)が特徴で、好き嫌いが、はっきり分かれるタイプのウイスキーです。
本日はそんな、独特なアイラ・モルトの中でも、一二を争うくらい個性的なウイスキー「アードベッグ」をご紹介。
一度は、閉鎖にまで追い込まれたという蒸溜所が造る、復活の逸品。数奇な運命を辿ったアイラ・モルトに迫ります。
「アードベッグ」とは?
数あるアイラ・モルトの中でも、トップクラスの強烈な個性を誇るのが「アードベッグ」です。
スモーキーかつピーティーな香り、フルーティーな甘みが織りなす、強いクセがある味わいが特徴。熱烈なファンをかかえる、モルト好きなら誰もが知る有名銘柄です。
基本的に並ぶ4つの通年商品(後述)の他、毎年限定ボトルを販売。限定ボトルは、即完売するほどの人気で、アードベッグがファンに愛されていることが窺い知れます。
世界的な賞も受賞しており(後述)、その実力は折り紙つきと言っていいでしょう。
しかし、アードベッグの歴史は華々しいだけではありません。次は、そんなアードベッグを造る「アードベッグ蒸溜所」に迫ります。
「アードベッグ蒸溜所」とは?
ウイスキーの名産地、アイラ島にある幾多もの蒸留所。そのなかで、一際個性豊かなアイラ・モルトを造っているのが「アードベッグ蒸溜所」です。
ウイスキー造りに適した、アイラ島の環境の恩恵を受けながら、アイラ・モルトらしいスモーキーさ、ピート香を携えたウイスキー「アードベッグ」を展開、熱烈なファンを抱えこむ、世界中で愛されている蒸溜所です。
しかし、その歴史は華々しいだけではありません。アードベッグの不調が続いた1980年代、蒸溜所は閉鎖を余儀なくされるほど追い詰められていました。
余裕がなくても、ウイスキー造りを続けたいという、蒸溜所の人々の情熱は涙ぐましいもので、電気ブレーカーのカバーの修繕費を節約するため、靴箱でカバーの代用をしていたというエピソードがあるほどです。
職人たちの情熱、そしてアードベッグを愛してやまないファンの想いはやがて実ります。
1997年、グレンモーレンジィ社に買収されたアードベッグ蒸溜所は、本格的な復活を遂げていくのです。
大量生産とまではいきませんが、安定して世に送り出されていく機会を手に入れたアードベッグは、次々と新規のファンを獲得。
冬の時代を越え、アードベッグは不死鳥の如く再生したのです。
さて、次はそんなアードベッグ蒸溜所が造るアイラ・モルト、「アードベッグシリーズ」をご紹介します。
「アードベッグシリーズ」
アードベッグ 10年
アードベッグといえばこれ。最初に飲んで欲しいのが「アードベッグ 10年」です。強烈なスモーキーさとは裏腹に、繊細に広がる甘み、、、クセがありながらもバランス良くまとめられた風味は、アイラ・モルトを代表するに相応しい出来栄え。
2008年ワールド・ウィスキー・オブ・ザ・イヤー受賞。
アードベッグ ウーガダール
ゲール語で「暗くて神秘的な場所」を意味する「ウーガダール」。スモーキーな香りと甘美な味わいが調和したバランスは、まさに名を体で表していると言っていいでしょう。
シェリー樽熟成の原酒をブレンドし仕上げられたこのアイラ・モルトは、2009年ワールド・ウイスキー・オブ・ザ・イヤーを受賞しました。
アードベッグ コリーヴレッカン
フレンチオーク新樽で熟成した原酒を使用したことにより、スパイシーで力強い味わいを実現。しっかりした味わいは体の芯に響き渡る、アイラ・モルトを全身で感じられる一本です。
2010年World's Best Single Malt Whisky受賞。
アードベッグ アン・オー
刺々しくない、角の取れた円やかなバランスは、他のアードベッグでは感じられない味わいです。スモーキーさと甘みが調和されていることは勿論、様々な要素が絡み合った複合的な味わいが特徴。
3種の樽の原酒を、時間をかけて丁寧に馴染ませる事により、このような味わいを実現。一味違ったアードベッグです。
まとめ
好き嫌いが分かれるアイラ・モルトの中でも、一際個性を放つ「アードベッグ」。その味わいのクセは、世界中のウイスキーファンを魅了しています。
華々しい歴史の影で、かつては蒸留所閉鎖にまで追い込まれた過去も、、、しかし職人達の情熱や、ファンの力により、不死鳥の如く復活をとげ、現在の地位を手に入れたアードベッグ。
ウイスキーを語る上で欠かせない一本。味わったことのない方は是非飲んでみてくださいね。